まさか!これが盗聴器?
とある日①
4世帯入居ができる2階建てアパートの調査依頼が入り、全室調査を行った。
「外周も見て欲しい」
というので、アンテナをつけた電界強度計を持って、アパートから 不振電波が出ていないかどうか調査した。
すると、2階屋根のヒサシ部分を指差し
「あの、黒くて丸いのは一体何なのか?気になるので見て欲しい」
と。
地上から7~8m程の高さがあるが、よく見ると鉄板の一部が剥がれ、中から確かに黒くて丸いものが見える。
「たぶん、鉄板とを繋ぐ部品だと思いますよ」
というと、
「キチッと調べてくれないと困る。電話でも見てくれるといったでしょ!」
と、怒りの声。
確かに言いました。
確認するには、長い梯子が必要だし用意はしていない。もし仮に、それが盗聴器だとしたら受信機やメーターで反応したはず。
結果は、盗聴器は無いのだ。
依頼者は、
「納得できない。その分料金から引いて欲しい。できないなら、今は、払えない」
「払って下さい!」
「納得できないから払えない」
・・・・・と何回も押し問答が続く。
埒が明かないので、とりあえずその場を立ち去った。
すると、 数時間後、事務所に先ほどの依頼者からTELが入り、
「ホームセンターから梯子を買って用意したので、もう一度調べて欲しい」
と。
相当気になっていたようだ。 梯子を伸ばし、恐る恐る(高所恐怖症なので・・・)上り、その部分を確認してみると、
なんと・・・・
ヒサシの部分は、木の板なのです。 そこに鉄板を貼り付けているのです。鉄板がはがれて見えていた部分は、木の板。そして
黒くて丸く見えていたのは木の節でした。
デジカメでその部分を撮り、下に降りて説明してやっと納得して頂いた。 そして、無事調査料金を回収することができた。どうやら、盗聴器だと思い込んだ木の節が、一番の気がかりであったようだ。
とある日②
「盗聴器がこの中に入っているか見てもらいたい」
突然、老夫婦が事務所にやってきた。
「見てもらいたいのは、どれですか?」
「これを見てもらいたい」
「・・・・・・・?」
なんと、 小さなカエルのおもちゃ。
聞くと、この中に盗聴器が入っているというのだ。どう見ても、盗聴器を仕掛けるスペースはない。一応、調べてあげましたが、それでも、
「いや、これは絶対に盗聴器だ」
と、言い張る。
こうなると納得してもらうのが大変。盗聴や盗聴器の仕組みを説明しても、ちんぷんかんぷん・・・ たまに、こうした人がフラッと事務所に現われ私の頭を悩ませる。