トイレ盗撮
多発するトイレ内の盗撮
トイレ盗撮とは、主に公衆便所や商業施設(店舗)などのトイレ内に小型盗撮カメラを仕掛け、用を足す人物の一部始終をひそかに撮影することをいいます。盗撮被害に遭うのは、ほとんど若い女性であり、年々被害件数は増加傾向にあります。
手口は、撮影機器を持ったまま女子トイレに侵入する方法で、個室にこもって一枚壁を隔てた隣の様子を盗撮します。盗撮方法で最も多いパターンは、仕切り壁と床の間にある数センチの隙間から盗撮するもので、和式トイレで多用されるやり方です。被害者は注意を配らないと気付かない場合が多いようです。
洋式トイレでは、仕切り壁上部からの盗撮が主となります。この場合は、上に注意を向ける癖をつけておけば比較的発見しやすいようです。しかしこの方法では、リスクを伴うために最近では少なくなってきているようです。
最近の手口では、無線式小型カメラを使った盗撮の被害件数が増加傾向にあります。小型化・高性能化するCCDカメラで撮影された映像と音声を無線(電波)で飛ばし、離れた場所に設置されたモニター付レシーバーで受信(受像)する方法で、小型化、高解像度化が進んだ現在では極めて鮮明な映像を記録することが可能です。
但し、無線式小型カメラで使用されている電波は、非常に高い周波数なので光に近い特性があり、盗聴電波のようにそれほど遠くには飛びません。
障害物(壁など)があると 電波が遮られ、せっかくの映像も鮮明に見ることが出来なくなる事があります。
記録された映像は、ビデオやDVDとして販売される流れが、1990年代後半以降になってから目立ち、中には報酬目当てに女性が盗撮犯に協力するケースもあるといわれています。このケースだと、女性なので盗撮行為が分かり難い利点があります。
また、飲食店などで経営者が意図して設置したマジックミラー越しに撮影されることもあるので、個室に姿見が設置してある場合は十分に注意を払うことが大切です。
トイレ盗撮に使用される機器
トイレ盗撮に使用される機器は形態によって、デジタルビデオカメラのようにカメラと映像モニターが一体タイプになっているものと、無線カメラで映像を飛ばし、離れた場所で受信する分離タイプに大きく2分類されます。また、直径1mmほどの超小型CCDカメラを使い、日常の身の回りにあるもの偽装して仕掛けます。
種類 | 一体タイプ | 分離タイプ |
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メリット | ・画像が鮮明 ・盗撮する場所を選ばない ・アングルが自由 |
・見つかっても犯人特定できない ・仕掛けることが容易 ・偽装しやすい |
デメリット | ・見つかると捕まってしまう ・スペースが必要 |
・画質が少し荒い ・ズームなど調整できない |
例 | ・カメラ ・デジタルビデオカメラ ・カメラ付携帯電話 |
・無線カメラと受信機 |
トイレ | 仮設トイレや公衆トイレ。芳香剤や汚物入れなどに仕掛けられるケースが非常に多い。 |
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階段 | 鞄の中にカメラを仕掛けてスカートの中を盗撮する。最近は靴に仕掛ける知能犯も多い。 |
更衣室 | ロッカーの上、通気口、ダンボール箱などに仕掛ける。 |
ラブホテル | 照明器具や通気口に仕掛ける。また、ホテルでの盗撮は、仕掛ける時間が長く取れるので、最近は巧妙になっている。カップルでの入室し、営利目的で仕掛けるケースも多々ある。 |
お風呂 | 植木の陰・ロッカーの上などに仕掛けられる。また、露天風呂の場合は望遠レンズで遠くの場所から狙われる。 |
トイレ盗撮対策は?
トイレ盗撮では、三角コーナーボックス内などの設置が多く見受けらましたが、元々トイレに設置してあったと偽装して小物に見せかけてしかけられた盗撮カメラ(造花、芳香剤、ティシュ入れなど)には注意が必要です。
無線式の小型カメラであれば、電波を発していますので、市販されている簡易型の盗聴器発見器(盗撮電波も感知するタイプ)を使って、異常があるか無いかを確認する方法があります。
他のトイレを見て、他の個室に無いものが有るかどうか、また、忘れ物や前の利用者が捨てている様な物が有る個室は避けることが必要です。便座の裏側にセットする場合やドアの下側の隙間や上からカメラを差し込み盗撮を行う場合もあります。
もし見つけた場合は、すぐに警察に通報しましょう。