盗聴器が出てきて欲しい依頼者
安心するはずだが・・
盗聴調査をして盗聴器が出てこなければ、安心するはずです。
確かに「安心しました!」といってくれますが、その表情は曇っているんです。
実は、盗聴器が出てこないと依頼者の皆さんの多くは、
「ガッカリ」
するんです。 不思議ですよね・・・
なぜかって?
盗聴器が出てこなかったら、つじつまが合わなくなるからです。
- 「隣人が嫌がらせをする」
- 「職場に行くと同僚たちが自分のうわさをしている」
- 「外から誰かが家の中をうかがっている気配がする」
- 「近くに不審な車が止まっている」
- 「会社の機密情報が外部に漏れている」 etc・・・
「こんなことになっているのは、盗聴器のせいだ」と皆さん思い込んでいるんです。だから調査を依頼するんですね。
でも、ほとんどが盗聴器が無いケースだから
「盗聴器じゃないとすれば、他に何があるんだろう・・・?」
と ますます不安に陥ってしまいます。
「盗聴器はありません」というと、
「そんなことはない、絶対あるはずだ。確信があるから調査依頼したのに」 と、納得しない人も少なくありません。
「あると納得」し「無いと不満」
盗聴器発見業者の中には、依頼者に納得してもらうためにあらかじめ盗聴器を持参して「盗聴器見つかりました!」と盗聴器を見せる手口もあるようです。
以前に、こんなことがありました。調査を終え依頼者(女性)に
「盗聴器はありません」
と伝えたところ、急にヒステリックに怒り出し
「このインチキ業者!盗聴器は絶対に仕掛けられているのに無いとはどういうことなんだ!警察を呼ぶっ!!」
その15分後に本当に警察がやってきました。なにも私は悪いことはしてませんから事実だけを説明しました。警察官はわかってくれましたが、依頼者の興奮はやみません。
結局、調査料金を受け取ることが出来ずに帰りました。
まあ、いろんな人がいるものです。
盗聴器が無いという証明
意外に難しい・・
私は、
「盗聴器はあるはずだ。盗聴器以外考えられない」
と思い込んでいる人に、
「盗聴器はありませんでした!」
という結果の説明に十分時間を割きます。しかし、「無いものを無い」と証明するのは、意外に難しい のです。
「ある」と思っているから、あれば納得するだろうし
「無い」となれば、調査のやり方に疑いをかけてくる。 見逃しているのではないかと・・・
こっちも自信を持って調査をしているので「無い」という事実を曲げる理由は、もちろん無い。
人は、なぜ物を探すのか?
それは、ここに「物」が無いという証明ができないからです。 「必ずあるはずだ」と思い込んでいるから、同じところを何度でも探してしまう。あきらめようとしても、「いや、絶対にあるはずだ」という思いがますます強くなり、徹底的に探してしまうことになる。
でも、ここには無いという証明ができれば、そこまでは探したりはしないはずです。
他の人に物を探してもらった場合はどうでしょうか?
「無いよ」
といわれたら、 素直に「無い」ことを受け入れられるでしょうか?・・・
多分、こう言うでしょうね・・
ちゃんと、探してくれたの?